友達のヘススが在籍するチームであるリバス95(3部)の試合を見る
このチームの監督は以前、スペイン一部のプエルトジャーノを率いていたダビス・ラモス。この監督の元で日本代表の皆本晃選手はプレーしていたようだ。ダビスは皆本選手のことを高く評価する。しかし、プエルトジャーノは消滅してしまった。
体育館に着いたときにアップが始まった。コートに隣接されているバルでアップを眺めながらコカコーラを飲んだ。相手チームにウェルネルがいる。彼は昨シーズン、ヘススと同じチームでプレーしていた。元スペイン代表の彼はこのリーグでは突出して巧い。
展開は早くはないが全員が渋い。汗をかくヘススのアクティトゥ(白)
試合が始まる。ヘススのチーム、リバス95が試合を優勢に進める。試合展開は早いとは言えない、特別唸るようなプレーが現れることもない。昨日のU-15ほどの衝動はない。しかし、彼ら全員のプレーが渋い。積極的に走ることをしようとはしない。無理にこじ開けようとしない。しかし、フットサルをつかんでいる。
積極的に走っているのはヘススぐらいだった。彼はとにかく汗をかく。決して巧くなく、失敗も少なくはない。しかし、ボールを持っていない時の積極的プレーが相変わらず素晴らしかった。そして彼は、とにかく前向きな気持ちで仲間と励まし合いながら闘う。そんな彼の取り組む姿勢を、改めて本当に凄いと感じた。見ることができてよかった。身を引き締めることができた。
ベンチで話し続ける監督の姿勢
監督は試合中、プレーしている選手やベンチにいる選手たちに何度も何度も話をしていた。ベンチの選手に向かってというよりは、ベンチに並んで選手に話をしていた。
「彼らはまだ、うまく考えてプレーできていないし試合状況の把握が巧くない。U-18カテゴリーを終えて夢や目標を持たず、スペインの3部や4部でただプレーをしてきた選手たち、友達とフットサルを楽しむようにプレーしてきた選手たちだ。しかし今、私がチームを率いることで、選手達は巧くなろうと頑張って取り組んでくれている。だからこそベンチの中でも、起きたプレーについて説明することや予想される状況でどうしたら良いのかを指示、説明をしているのだ。」
「例えば相手のキックイン、それはただ適当に蹴りこんでくるだけではない。早くパスをしてきたり早く動いてきたりすることもあれば、戦略を実行してくることもある。それらを感じた上でプレーに移さなければならない。だからこそ、私は様々なところから情報を獲得しなければならない、選手に伝えるためにも。」
バルや帰路でヘススと話して再認識できたこと「闘志」
試合を終えた後に、ヘスス、トマス、監督のダビス、相手チームのウェルネルとバルで一杯飲んだ。色々と話をしていたが、気になっていたセットプレーについて質問した。このダビスのチームは、セットプレーの実行に様々な種類を持ち精度も高かった。そのことについてヘススが僕に話してくれた。
「彼が来て最初の頃は、1回の練習が3時間もあった!その内の1時間は毎回セットプレーの戦略だったぞ、Yuki。」
とても充実しているような話し方だった。そのままヘススに車でマドリードまで送ってもらった。その車中でもやはりフットサルの話、チームの話を僕たちはしていた。
「うちのチームは若いこともあって、リーグ戦では取りこぼしを幾つかしてしまっている。日によって闘えるときとそうでないときがある。闘う姿勢を身につけなければならない。」
そう言ったヘスス。彼はその模範になっている。仲間と共に闘う姿勢。
「闘う姿勢」「気持ち」という言葉に含まれる意味、これは日本とスペインとで多少違いがある。スペインのこれを経験できたことは僕にプラスとなっている。