練習前の変わらない様子。バスケ、キーパー分析…
練習場に到着すると、相変わらず選手たちはバスケットをして遊んでいた。この日はマリオ・リビージョスとカルロス・オルティスがやっていて、僕もシュートを打った。下手くそなので含み笑いされたが、もう一度打ったら入った。その脇で、キーパーコーチも務めるチチョとキーパーのヘスス・エレロが話をしている。これも昨シーズンと同じ。前節の試合から、チチョが幾つかのシーンをピックアップして動きの分析をする。ポジショニングや体の使い方などを指摘している。チチョはコーチでもありトレーナーでもありキーパーコーチでもある。キーパーコーチとして誰かに習ったとかそういう経験はなく、自分で考えてここまできた。キーパーの動きを分析し、それをトレーニングにする。
スペインの激しさを楽しむリカルジーニョ。リフティング対決
リカルジーニョが寄ってきてリフティング勝負することになった。彼が色々なルールを提案してくる。リカルジーニョは子供のようにフットサルが好きなんだなぁと感じた。リフティングしながらポラにパスをしたら、ポラはリフティングとかそう巧くないので「俺はいい!」と言って返してきた。リカルジーニョにリフティングしながら話を聞いた。
「スペインはとてもコンペティティブだ。体を強くぶつけてくるし、話をするし、とても高いインテンシティでプレーする。練習からそうだ。日本は少しおとなしい。」
彼の練習の感じを見ていると、今インテルでプレーしていることがとても楽しそうだ。仲間とよく話をしているし、悔しがるし、魂を込めてプレーしている。その姿が、彼の充実度を表している。
ウォーミングアップ
みんなでコートの外周を走ってからストレッチ。その後チューブを使った運動をして、関節を各自で動かす。
4対2のロンド
2つ作って行いボールを奪われたら、もうひとつのロンドの守備へ。(10分)
フィニッシュ
4人でピヴォと調整しながら。アナリティック(10分)
各陣地で3対2+2キーパー /トランジション
キーパーから相手の陣地にいる仲間3人の誰かに投げる。攻撃者3人に対して2人とキーパーで守る。もし、どちらのチームもゴールならなかったら90秒で交代。ゴール決まったら場所交代。もし外にボールが出れば試合のように行う。ヘスス・ベラスコが毎度、笛で攻守の変わり目を伝える。
チチョは「まだ寝ているぞ!話せ!」とインテンシティを高める。ヘスス・ベラスコは「外しても良い。臆病がなかったなら。」と選手に積極性を与えていた。(15分)
4対4+2キーパー 半分からの守備 /相手陣での攻撃
相手陣サイドでボールを受けた選手は、相手に立ち向かう。特に右利きは左サイドで、左利きは右サイドで。対する守備者は斜めのパスを閉じながらサイドに導くように。多少、後追いとなってしまってもゴールのスペースは減らすことができる。これらが監督からの指示だった。(30分)
パワープレー
一つのゴールで行い、ボールがコートの外へ出たら攻守が変わる。1-2-2のシステム。右サイドは2人が直線となるように位置する。そして奥2人のどちらかにパスが渡った際に、真ん中のサポートを探さなければならない。
チチョ「話そう話そう!気付いてない仲間を助けろ!」と守備の選手に伝えていた。(25分)
ユニフォームをぶつけられるセシージョ
練習後、全員で写真をとりロッカールームでユニフォームにサインをもらう。一人一人書きに来てくれるので、その際に全員に挨拶をした。その間、選手たちはシャワーを浴びているので裸でサインを書いている。
彼らの着替えた服は、ホペイロのセシージョが集めているのだが、集めているというより彼に放り投げている。床に散らばっている練習着をセシージョは足でまとめて一つの袋に入れる。選手に冗談を言われながら、言い合いながら、たまに怒りながら、ロッカールームで選手たちを和ませている。偉大なホペイロだと思う。
自分と激しく闘う選手たち
悔しさと闘っている。
そして選手同士で、褒めていることがそんなにない。点をとった時であっても、もっとできることを要求しあっていた。