2016年6月29日水曜日

日本のフットボールを成長させる2つの道具。「判断」と「決断」の違い




「判断を早く」とはどういうことだったのか


判断がはやいとかおそいとか、自分が選手の頃はよくわかっていなかった。速くプレーすることが、判断の早さだと思っていた。判断を早くするためにどうしたらいいか、きいたことがなかった。相手より早く考えることが大切だとイニエスタが言っていたが、どのように早く考えるかをわかっていなかった。判断を早く!という言葉は、日本の指導者の間でどのように共有されていたのだろうか。

判断や考えてプレーすることについて少しわかってきたのは、スペインで指導者講習会に通いだしたときからだったと思う。スペインでは、考える早さについて判断という言葉ではなく、決断という言葉を使っていた。既にミゲルが日本で広め始めていたものであるが、私は知らずしてスペインに行った。なので、私が決断という言葉にであったときは、また戸惑った。日本でいう判断と同じ言葉なのか、きっと同じことなのだろう。そう、ぼんやりと思っていた。

今や、大体の指導者は大体知っているとおり、決断力は「認知‐分析‐決定‐実行」というプロセスの集合体である。このサイクルの早さが「考える早さ」。そう言われると、判断と決断では、意味合いが違うなぁと思っていた。判断って、どういうことだろう。

ドンピシャな題名の本を見つけたので、さっと読んでみた。


判断は過去から現在に起こった事柄について下すもの
決断は未来に起こりうる事象に対して下すもの

判断をすべきときは、ことの大小はあれ、人が「混沌」のなかにいるとき。そして、判断を終えたあと、ものごとはある指標・基準において整理された状態になる。
決断すべきときは、人が選択肢を前に迷っているとき。決断を終えたあと、人は新しい一歩を踏み出し、選んだゴールや方針に向けて行動を起こす。

あくまで判断は、決断の材料に過ぎないのである。

過去から現在までの状態だけが、決断を左右するのではない。過去も、現在も、未来もひっくるめて考え抜いて、決断という一歩を踏み出すべきなのだ。

判断という道具を使って、混沌を整理する。その時人は、冷静になれる。
決断という道具を使って、新しい未来をつくり出す。その未来にワクワクしながら踏み出していく。
Amazon 判断と決断 ―不完全な僕らがリーダーであるために

この本には判断と決断を道具として利用したチームづくりについても書いてあったので、その点でも参考になる監督の人はいるかもしれない。判断と決断を意識化するのは大切だ。


判断は「認知‐分析」、決断は「決定‐実行」、総合したものが決断力


判断ができていなくても決断をしなくてはならない。良い決断は成功ばかりではない。選手たちをみていると、判断に時間をかけて決断を遅らせる傾向にある。自分がひとりだけ違うことをしていないか、だめなことをしていないか、気にしている。フットボールに限っては、仲間と合わせることばかりではなく相手がいることなので判断に時間をかけないようにしていかないといけない。

そして、選手たちの決断がよかったか悪かったか、そもそも決断したのかどうか。

指導者が選手たちに、どのように働きかけるかは大きな鍵となる。選手がどう決断したかを観ることは、監督の仕事として非常に重要である。